新年のご挨拶
2020/01/07
2020年 あけまして おめでとうございます。
暖かで穏やかな新年をお迎えのことをお慶び申し上げます。 今年は、いよいよオリンピックとパラリンピックが開催されます。それに伴い、交通機関や公共建築物のユニバーサルデザインが改めて問われています。 現在の私自身の研究領域は園芸療法の実践や効果の検証なのですが、教鞭をとるに至ったきっかけはユニバーサルデザインにあります。「ユニバーサルデザインの屋外空間を造っても、それを活用できなければ意味がない」と思い立ち、そのプログラムの一つとして園芸療法に傾注していきました。 先般、ある講演会で30年前に私がデザインした公園が紹介されていました。残念なことに「誰も使わなくなり、荒れ果てた空間になっている」という紹介でした。この講演を聞きながら、しみじみと反省をしました。公園におけるユニバーサルデザイン プログラムの必要性について、私は長い間なにも発信していなかったのです。
私たちは、大切なことを『発信し続ける』役割があります。 小さな花々の存在が、生きる希望を失った患者さんの背中を押し、光の方向に向かう物語を紡でいく力があります。園芸療法の基本はそこにあると思います。その発信を怠れば、いつか私たち自身が疲弊して園芸療法の庭は“誰も使わない荒れ果てた場所”となってしまいます。
年末に、日本園芸療法学会は園芸療法の普及と発展、会員相互の交流を目指してホームページを刷新しました。「園芸療法に興味を持っている」という一般の方から、ホームページを通して質問が来るなど、一定の効果が挙がっていると感じています。これからも皆さんの積極的な活用を期待し、発信し続ける場として活用していただきたいと願います。
みなさまにとって幸多い一年であることをお祈りしています。
日本園芸療法学会 代表理事 浅野房世