さまざまな領域で活動する園芸療法士の声を紹介します。
今回は介護付き有料老人ホームで園芸療法士として勤務している永田辰貴さんです。
永田 辰貴
東京農業大学農学部バイオセラピー学科卒業後、介護付き有料老人ホームにて園芸療法士兼介護福祉士として勤務。
園芸療法士をめざしたきっかけ
在学中のヒーリングガーデンについての講義の中で、「歩きやすい庭を造るより、“あの向こう側には何があるんだろう”という気持ちにさせる庭を造りたい。“歩こう”“歩いてみたい”と心を動かすことが、リハビリを効果的にさせる」という言葉に強く惹かれたことを今でも覚えています。植物を通じて人の意欲を引き出すかかわり方について、もっと学びたいという思いが、園芸療法士を目指したきっかけであったように思います。
園芸療法士の一日の仕事
私の働く施設には3000坪の庭園があり、季節毎の植物を使用したアクティビティやイベントを提供する為、日々庭の手入れを行っています。また、自立から要介護までの多様な居住者様がいらっしゃり、ベランダに訪問して馴染みの植物を育てるお手伝いをしたり、認知症予防の一環でフラワーアレンジメントや庭園の散策をしたり、ターミナルケアとしてお好きな花を飾る等、居住者様の状態に応じて植物を介したかかわりは様々です。
園芸療法士の仕事のやりがい
植物を介して居住者様とかかわる中で、「こんなに綺麗に花が咲いたのは初めて!」と馴染みの植物を見せてくださったり、「ここ(施設)に来てまた花を育てられて本当に良かった」と諦めていた園芸を再び楽しまれたり、生きる気力を失っていた方から「来年も咲くのが楽しみです」などと言葉をいただけるような、その人の心が動く瞬間に出会えるのは、とても貴重で嬉しいことだと思います。