さまざまな領域で活動する園芸療法士の声を紹介します。
今回は広島市にある介護付きホーム・住宅型有料老人ホームにて園芸療法を実践されてい岡田典子さんです。
岡田典子
短大卒業後、電機メーカー会社員、広島市現代美術館接遇スタッフを経て、IWAD女子技術学校(現広島国際医療福祉専門学校)園芸療法士コース3期を2002年卒業。共同作業所指導員、IWAD環境福祉専門学校職員を経て、2005年医療法人社団八千代会グループ メリィハウス西風新都リハビリテーション部園芸療法士として入職。
日本園芸療法研修会正会員(プラクティス13000認定) フィトライフコーディネーター 園芸装飾技能士 美術家
園芸療法士をめざしたきっかけ
28歳に癌を発症し、40歳まで入退院を繰り返しました。自宅療養中の春に庭木や草花の芽吹き、生長を日々観察し“生きる意欲”をもらい、ホメオパシーなど代替・補完医療に興味を持ちました。美術館勤務時には“切り取った田土からさまざまな芽の出る経過をみる”展示をみて生命の源である土の力に感動しました。残りの人生を福祉でと考えていた時に、新聞広告でIWAD園芸療法士コースを見て入学。実習やボランティア活動で対象者の表情の変化を実感するとともに、プログラムのトライ&エラーを繰り返し、私でも役に立てるのではないかと園芸療法士を目指すことにしました。
園芸療法士の一日の仕事
8:30 朝礼・申し送り 入居者情報チェック
8:45 ガーデンチェック
9:00~ 午前のプログラム準備・入居者送迎
10:00~ プログラムの実施
10:45~ 後片付け・記録・ガーデン管理・午後の準備
12:00~13:00 休憩
13:00~ 午後のプログラム準備・入居者送迎
14:00~ プログラムの実施
14:45~ 後片付け・記録・ガーデン管理・明日の準備
17:00~17:30 日報記入
園芸療法士の仕事のやりがい
有料老人ホームの園芸療法士はとてもやりがいのある仕事です。種まきから収穫まですべての栽培過程をさまざまな入居者様と作業分担し、収穫の喜びを分かち合う。おひとりおひとりの今に寄り添い、季節を感じ、楽しむ工夫をする。種を播き、芽が出ると「小さい芽が出ている今が一番好き!」と慈しむ姿や作業しながら昔話に花が咲き、喜怒哀楽を表す姿、季節の花に思わず手を伸ばし香りを嗅ぐ姿など園芸活動中にみせる表情や仕草に“その人らしさ”を発見した時やりがいを感じます。多くの出会いに感謝し、幸せな時間を共有していきたいと思います。
勤務先施設のHP http://merry-house.jp