萩原新

園芸療法士の活動

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さまざまな領域で活動する園芸療法士の声を紹介します。

今回は長野県の精神科病院で園芸療法士として勤務している萩原新さんです。

 

萩原新

信州大学農学部卒業後、同大学院農学研究科へと進学。在学中に兵庫県立淡路景観園芸学校の存在を知り、一年間休学して園芸療法を学ぶ。修了後は沖縄県での病院勤務を経た後、現在の精神科病院へ入職し園芸療法を実践している。

 

園芸療法士をめざしたきっかけ

元々、花卉園芸に興味があり農学部へと大学進学しました。大学生活を送る中で、身体に障がいを持ちながら地域で一人暮らしをしている方と出会いました。その方との交流を通じて次第に医療・福祉への関心が高まっていきました。「農業を医療・福祉に活かせる仕事ができないか?」と考える日々が続いていた最中、園芸療法を研究テーマにしている教授との出会いがあり、この瞬間「やりたかったことはこれだ!」と思いました。その後、病院での園芸活動の実践研究を試みる私の指導をして下さり、園芸療法の学べる専門学校への進学の後押しともなりました。いつしか園芸療法の研究から「園芸療法士を目指してみたい!」という気持ちへと強く変化していったことを覚えています。

 

 

園芸療法士の一日の仕事

8:00  始業。プログラムの準備(園芸療法に参加する患者の状態を把握したり、午前中の活動準備を行います)

8:30  プログラムの実施(園芸療法や作業療法プログラムを作業療法士や看護師とともに行っています)

11:30  ミーティング・実施記録の記入(作業療法士らとプログラム内容や参加者についての振り返りをしています)。午後のプログラム準備

14:00  プログラムの実施(プログラムのない曜日は病院敷地内の環境整備を実施しています)

16:00  ミーティング・実施記録の記入

17:15  終業

※その他、空いた時間があれば環境整備を実施しています。

 

 

園芸療法士の仕事のやりがい

精神科病院にて園芸療法の実践をしています。

患者さんは入院に至るまでに様々な苦しみを体験され自分の殻に閉じこもってしまったり、人間不信に陥ってしまったりする方も少なくありません。そのような患者さんの病気を理解し、気持ちに寄り添い実践することの難しさを日々感じていますが、医師をはじめ看護師、作業療法士などの専門職の皆さんと連携を取りながら園芸療法士もチーム医療の一員として参加することができとても勉強になっています。また、園芸療法士にとって植物のある場を整える「環境整備」は重要な仕事の一つです。多くの時間と労力を費やしますが、植物との触れあいが患者さんの安心感に繋がったり、植物を心の支えとして閉ざされた心を次第に開いてゆく姿を目の当たりにした瞬間、園芸療法士としてとてもやりがいを感じます。

勤務先施設のHP https://nanshin-hospital.shinsyu.jp