実践紹介(丸山恵利加)
2024/02/24
園芸療法の市民講座とワークショップを開催しました
一般財団法人 やない花のまちづくり振興財団
丸山恵利加(園芸療法士)
私は公園に常駐する園芸療法士として、主に園芸療法の普及活動を行っています。地域で生活する人が、植物のもつチカラを知ることで、植物や園芸活動をセルフケアに活用し、それがさらに地域ケアにつながることを目指しています。
コロナ禍をきっかけに、最近は公園だけでなく地域にある市民花壇を活用した健康づくりを広げたいと思い、取り組んでいます。2023年12月2日、花と緑の健康効果を知り、身近にある市民花壇や植物を活用するきっかけとするため、市民講座を開催しました。千葉大学の岩崎寛先生に「心と体がよろこぶ花のまちづくり」と題してご講演いただき、その後、市民花壇で咲いていた花でつくったドライフラワーを使用して「小瓶ポプリ」づくりのワークショップを行いました。
今回、アシスタントとして、園芸療法学会高槻大会をきっかけにつながった中四国ブロックのメンバーがワークショップなどの対応をしてくれました。メンバーは、内村友美さん(山口県柳井市)、熊安悦子さん(山口県防府市)、大楽彩夏さん(山口県光市)、岡田典子さんと原田睦子さん(広島県広島市)、春名千晶さん(岡山県岡山市)、河南真裕子さん(徳島県徳島市)の7名で、普段はそれぞれ所属も実施場所も対象者も異なる活動をしています。
講演前には、ウェルカムドリンクとして参加者にハーブティーをふるまい、園芸療法の特長のひとつである五感の刺激を体感してもらうと同時に、講演への導入としました。講演では、岩崎先生がエビデンスをわかりやすく伝えていただいたことで、参加者は納得感が増し、紹介された事例を自分たちの状況に置き換えて考えることができたようでした。参加者からは「参加してよかった」「勉強になった」との感想をたくさんいただき、「職場に緑を置きたい」「周りの人に伝えたい」と具体的な行動につながる内容もありました。後日、市の保健センターや包括支援センターから問い合わせや来年度の取り組みの相談が入るなど反響があり、広がりを感じています。
ワークショップは、市民花壇での取り組みをつなげる場になり、また山口県内の蒸留所でつくられたエッセンシャルオイルを使い、「地域の香り」を感じてもらう機会にもなりました。地域の香りは、10月の園芸療法学会千葉大会の地域活動ブースで中四国ブロックとして植物と関連した地域性をテーマに紹介したことが発端となっています。個人の活動に地域ブロックの活動を活かすことができました。
今後も公園だからこそできる園芸療法の伝え方を考え、広げていきたいと思います。